酒蔵の日本酒直売店。「歴史感」を出す方法で、エイジング加工といったものもありますが、どうしても「重み」に欠けてしまいます。そこで、かつて酒蔵で利用されていた「舟(槽)ふね」の活用です。「舟(槽)ふね」とは、発酵を終えた「もろみ」から酒(清酒)と酒粕を分けるための木製の箱のこと。何十年選手どころか、何百年選手の木の箱です。どうしようもないほどに味わい深い雰囲気を醸し出してくれました。多くの日本酒を絞り出してきた立役者が、今度はそれを彩る側にまわる──そういった構図になりました。それ以外も「新品くさいもの」は使いません。時代の空気をブツ切りにせず、繋いでいくのもリノベーションです。「気配感」といういうのでしょうか。そういうものが来店される方に伝わってくれたら嬉しいものです。